わたしは、あなたがたに悟りを与え、行くべき道を教えよう。わたしはあなたがたに目を留めて助言を与えよう。
詩編32:8
フランスの詩人、ポール・ヴァレリーに、人生をボートに例えた次のような作品があります。
「湖に浮かべたボートを漕(こ)ぐように人は後ろ向きで未来へ入っていく」
人生とはボートを漕ぐようなもの。
ボートは後ろ向きに漕ぎます。 自分には、進んできた風景しか目に入りません。
人生も同じで、過去や現在は見えても、明日の景色を誰も知らないように、人は未来を見る事はでいないのです。
ボートを漕ぐ時も、進む方向に背を向けています。自分の背の方向にゴールがあるということだけしか分かっていません。ゴールまでの景色を見ながら、人生を歩むことができないという例えです。
私たちは、未来へ向かい背中越しに進んでいく。
過去が目の前にあり、未来は後ろにあるのです。
本当に人生とはボートを漕ぐようなものですね。
水の流れは人それぞれ違うだろうし、自分が乗っているボートも、もがいても、もがいても、少しも進まないこともあれば、時に信じられないくらい楽にぐんぐん進む時もあると思ます。
漕ぐことに疲れて漕ぐのを休む時もあるかもしれません。もしかしたら、急に突風に見舞われて沈没しそうになるかもしれません。 同じところをグルグル回ってしまうかも・・・調子に乗って漕いでいたら本当にボートから落ちてしまったり・・ 他のボートとぶつかる事もあるかもしれません。
またある時は、どちらがゴールか見失ってしまう事もあるかもしれません。疲れ果ててボートを長く漕ぐのを辞め、水の流れに身を任せる時間が長くなり、ボートの漕ぎ方を忘れることもあるかもしれません。
どっちに進めばいいのかわからなくなった時、頼りになるのは自分が歩んできた景色です。
信仰生活に行き詰まり、自分のいる所を見失うこともあると思います。
そんな時、自分が見る事が出来る過去を見て下さい。主と共に歩んできた過去。
見る事ができない未来、自分の想像した未来に不安を募らせないで
自分が見る事が出来るのは、自分が辿ってきた今までの人生であり、信仰生活です。
未来を見ながら歩むことが出来ない人生。不安になるのは当たり前です。
だから人生と言うボートを一人で乗らずに、主と共に乗るべきなのです。
私は、自分のボートと自分のオールが描いた水面の軌跡が、美しいものであれば良いなと思います。
しかし、人生のボートで一番大切なのはゴールを間違えないという事です。
今日も、主と共に人生のボートを懸命に漕ぎましょう!