祝福を受けると言う事【マルコ15:21】

2023年

そこへ、アレキサンデルとルポスとの父で、シモンというクレネ人が、いなかから出て来て通りかかったので、彼らはイエスの十字架を、むりやりに彼に背負わせた。

マルコ15:21

ユダがイエスさまを裏切り、イエスさまはローマ兵に捕まります。

そしてイエスさまは鞭(ムチ)で打たれたのです。

当時の鞭とは、鞭の先に動物の骨や金属片が付けられていました。

それで囚人の背中を打つと、それが肉に食い込み、激痛を与え、肉をずたずたに引き裂き、骨を砕くほどの威力のあるもの。

外傷性ショックで、死に至ることもある刑罰です。この鞭打ちを39回、遭われました。

人類の最高刑です。

その後に、十字架を背負いゴルゴダの丘を登られたのです。

イエスさまのゴルゴダへの道・・この出来事で一番祝福を受けたのは誰だと思いますか?

このイエスさまの姿を見た者の中で、一番大きく人生が変えられた者。

もちろん弟子たちも、この十字架の姿を見て沢山の涙を流し心を痛め、後に復活した主に出会い変えられ、主を証しする者に変えられました。

私は、一番祝福を受けたのは「クレネ人シモン」だと思います。

クレネ人シモンは、2人の子どもを連れアフリカの方から数ヶ月歩き、過ぎ越しの祭りを過ごす為にエルサレムに来ていたのです。

「偶然」、イエスさまに遭遇するのです。

そして「偶然」、ローマ兵に呼び止められ、十字架を背負えないイエスさまの代わりに、無理やりに十字架を背負わされたのです。

この時、シモンの心はどうでしょうか。

「なんて不運なんだ・・」と思ったと思います。

群衆がイエスさまをあざける為に集まっています。シモンが代わりに十字架を背負い、イエスさまと共にゴルゴダを歩くのです。

群衆は、シモンを見てイエスさまの弟子か何かだと思うはずです。

シモンはイエスさまと共に罵声を浴びるのです。

2人の子どもは、囚人の十字架を背負い、罵声を浴びる父親シモンの後を、付いて行ったはずです。

ゴルゴダの丘に到着し、役目を終えたシモンは子どもを連れその場を離れ、もともとの目的である過ぎ越しの祭りを過ごしました。

後に・・・噂を耳にしたのです。

あの十字架を背負っていた囚人・・

「よみがえられた」

「救い主だった・・」

クレネ人シモン・・どのように感じたのでしょうか。

あれは救い主メシヤだった・・?

シモン・・十字架を無理やり背負わされた時、「どうして自分が・・」「なんて運が悪いんだ・・」「通りかかっただけなのに・・」と思ったのではないでしょうか。

自分に降りかかった不運に苛立ったかもしれません。

しかし、後に知るのです。

不運だと思っていた出来事が、自分がイエスさまの十字架を代わりに背負える人として用いられたことに、心が震えたのではないでしょうか。

「自分はイエスさまの十字架を背負う人として、特別に選ばれたんだ・・・」

「偶然降りかかった不運」が「主に選ばれた祝福」であったと気付いたのです。

後、この2人の子ども、「アレキサンデル」と「ルポス」は主に仕える者へと変えられて行きました。

ルポスは、ローマ16:13に出てきます。「パウロのかけがえのない同労者」だったことが記録されています。

またルポスはローマ教会の指導者となるのです。

シモンの妻もパウロの世話をし、パウロを支えた人と変えられたのです。(ローマ16:13)

シモンが十字架を背負ってから、この家族に大きな変化が起きたのです。

父親がイエスさまの十字架を背負う姿を、2人の子どもは見ています。

関係のない父親まで、群衆の罵声を浴び、重い十字架を背負ってイエスさまと共に歩んだ姿を。

「主の十字架を背負う」という姿を目にしたのです。

シモンの家族は、主の働きをする人に変えられたのです。子どもはパウロと共に異邦人宣教に対して大きな働きをしました。

シモンたちは、過ぎ越しの祭りを行うためにエルサレムに向かったのは、数ヶ月前です。(北アフリカからエルサレムまで3-4ヶ月と言われています)

数ヶ月前から、計画されていたのです。

丁度、十字架を代わりに背負うタイミング。ローマ兵の目に留まる為にその場に居合わせるタイミング。

何の考えも想像もできない出来事を、数ヶ月前から準備されていたのです。

道中色々な事があったハズです。

道中、体調を崩したかもしれません。思いもよらず時間が取られ、予定通り歩けなかったかもしれません。

しかし、全て主がご存知で、全てが完璧に計算されていたのです。

人生最大の不運だと思っていた出来事が、人生最大の祝福だったのです。

親である者は、主の十字架を背負うという姿を、子どもに見せる必要があるように思います。

主の十字架を背負う・・これは祝福なのです。

祝福を受ける者となりたいです・・・

今日も、主と共に歩む時間をお過ごしください!

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