幸いなことよ。全き道を行く人々、主のみおしえによって歩む人々。
幸いなことよ。主のさとしを守り、心を尽くして主に尋ね求める人々。
詩篇119:1-2
アメリカの第16代大統領、アブラハム・リンカーン。
「史上最高の大統領」とも呼ばれています。
「奴隷解放宣言」を行い、圧倒的支持を集め、2期にわたり大統領就任。 また、南北戦争では北部を勝利に導き、アメリカ統一を成し遂げました。
リンカーンの人生を知っていますか?
試練の続きの人生だったのです。
かなり貧しい家に生まれ、母親を9歳の時に亡くし義母に育てられました。
またリンカーン本人も後に、4人の子どもが与えられましたが、内3人は幼くして亡くなっています。
事業にも失敗し、様々な職業を経て政治家を目指します。議会議員に立候補し、落選。
リンカーンは学歴がないものの、独学で弁護士になります。
後、上院議員選挙にも落選。
しかし黒人奴隷制反対を掲げ政治にかかわっていくのです。
そして1861年に大統領就任となりました。
「あ~ 貧しく生まれ、学ぶ事も出来なかった。母親を早く亡くし、仕事も失敗の連続・・苦労されたんだ。でもその苦労が実って”歴史に名を残す大統領”になったのか~」
「苦労がしたからこそ成功したんだな」と、「簡単な一言」でリンカーンの人生を見てしまいます。
まず私たちは、リンカーンに対して「尊敬される良い大統領」という情報を知っています。
それから、実は彼の人生は苦労と試練の連続だったんだ・・と知るのです。
私たちは、リンカーンの人生をゴールから俯瞰(ふかん)して見ているのです。
当の本人はどうだったでしょうか。
リンカーンも自分の人生の先は常に分からなかったのです。
自分の思う通りに行かない人生が続き、試練が終わることなく続くのです。
多分、多くの人は、
「自分の人生はこのまま終わるのではないか」
「これは自分が歩むべき道ではないのか」
「これは私ではない、もっと優れた者の道なのか」という思いが頭を過ぎると思います。
リンカーンに主が喜ばれる良い志があっても、道が開かれない失敗を繰り返す時間を長く過ごすのです。
人生の道中は、不安や疑心、孤独に苛まれ、断念したくなるような思いに駆られるのです。
リンカーンも大統領となり奴隷解放という志が叶ってから、自分の人生の一失敗や苦難に意味があったと気付くのです。
苦難の意味は、後に知る事が多いのです。
それは私たちも、リンカーンも同じです。
人生の道中は、苦しく寂しく、疲れ果て落胆する事の連続なのです。
リンカーンは実親から、
「汝は百エーカーの農場を持つよりも、一冊の聖書を持つ者となりなさい」という言葉を残されていました。
リンカーンは、主と共に人生を歩むという信仰があったのです。
そして、奴隷解放の為に生涯を捧げ、世界の平等と平和の働きをしたいという志を持っていたのです。
主にとって、リンカーンは自分の益を求め人生を歩もうとしている人間より、良いしもべではないでしょうか。
主に喜ばれ、世界に大きな影響を及ぼす人にさえ、苦難の連続を与えらえるのです。
私たちは、人の人生をゴールから俯瞰して「苦難の先に成功」と簡単な一言で整理し、「いいな~こんなに大きな成功をして・・」と思うのです。
他の人の人生を羨ましく感じます。
それは、人の人生の成功に目が行き、苦難を小さくとらえてしまっているからです。
しかし、本当は苦難の方が大きいのです。苦しいのです。長いのです。
リンカーンも人生の道中は、私たちと同じように失望し、悲しみ苦しんだのです。
もしくは、私たち以上に人生の道中、苦しんだかもしれません。
私たちが今感じる苦難や、悲しみ、落胆、痛み・・全て意味があるのです。
その意味は後で分かるのです。
大切なのは、リンカーンが常に信仰と共に歩んだように、どの様な人生の道中であったとしても主と共に歩むという事です。
今日も主を信頼し、主を選ぶ一日をお過ごしください!