レハブアム王は、父ソロモンが生きている間ソロモンに仕えていた長老たちに相談して、「この民にどう答えたらよいと思うか」と言った。
彼らは王に答えて言った。「もし、あなたがこの民に優しくし、彼らに好意を示し、彼らに親切なことばをかけてやってくださるなら、彼らはいつまでもあなたのしもべとなるでしょう。」
しかし、彼はこの長老たちの与えた助言を退け、彼とともに育ち、彼に仕えている若者たちに相談して、
彼らに言った。「この民に何と返答したらよいと思うか。彼らは私に『あなたの父上が私たちに負わせたくびきを軽くしてください』と言って来たのだが。」
彼とともに育った若者たちは彼に答えて言った。「『あなたの父上は私たちのくびきを重くした。だから、あなたは、それを私たちの肩から軽くしてください』と言ってあなたに申し出た民に、こう答えたらいいでしょう。あなたは彼らにこう言いなさい。『私の小指は父の腰よりも太い。
Ⅱ歴代誌10:6-10
ソロモン王は、知恵のある祝福された王でしたが、晩年は主に背いてしまいました。多くの妻とめかけを囲い、偶像崇拝に走ってしまいました。
ソロモンが王になった時、神殿建設で沢山の民の労働が必要となり、また晩年、背教した後の豊かな生活を維持するには、民に容赦ない重労働を課す他なかったようです。
ソロモンの下で働いていたヤロブアムは、政治的な手腕家でした。 ソロモン王の時代に、反逆的行為を行なったようで、エジプトに逃げていました。けれどもソロモンが死に、その子レハブアムが王となると聞いて、イスラエルに戻ってきたのです。そしてヤロブアムは、レハブアム王にこれまでの重税や労役の軽減を求めたのです。
今日の聖書の個所は、ヤロブアムの願いを聞くべきかどうか、レハブアム王が長老たちに相談するところです。
長老たちは、ヤロブアムの願いを聞き入れるべきだと言います。しかし、レハブアム王は長老の助言は王威を損なうものと考え、長老たちの助言を退け、同年代の友達たちに相談します。
友達は、「ソロモン王の時よりも、もっと厳しくするべき」と答え、レハブアム王は友達の言葉を選ぶのです。
その結果は、レハブアム王は、命からがらエルサレムに逃げ帰る羽目になるのです。(18節)
レハブアム王は、ユダとベニヤミンの南の王となり、ヤロブアムは、北の10部族の王となりました。
レハブアム王の浅はかな判断により、イスラエルが北と南に分裂される歴史が始まりました。
モーセは、王たちに対する戒めを書き残しています。
神の御教えを、手元に置き、一生の間読み続けるように。それによって主を恐れ、みおしえを行い、同胞の上に高ぶることがないため、命令を守り続け長く王国を治めることができるためである、と(申命17章)
知恵ある王で平和な時代を統治出来たソロモン。しかし晩年のソロモンの姿はそうではなかったのです。また、その子レハブアムも同じです。ソロモンの元で育ったレハブアムは物凄く豊かな生活でした。民の苦しさなど全く知らなかったのです。
王国分裂の原因は、ソロモンとレハブアムだと言われています。
もし、ヤロブアムの様な願いをレハブアムではなく、ダビデが受けていたとしたら、ダビデはどうしたでしょうか?
多分、長老に相談する前に、まず自ら主に相談したのではないでしょうか?
私たちも、この歴史から沢山学ぶ必要があります。
どんな事でも、まず主に伺いをたてるのです。私たちには主の御教え(聖書)があります。毎日聖書を読み、主の教えを心に刻むのです。
また、教会の中で互いに裁きあい、分裂してしまわないように常に気を付けるべきです。
単なる意見調整や人間の知恵によっては解決は、一時的です。
教会に集まる者一人一人が、主を追い求めることによって、教会の中にも平和と愛がもたらされのです。
ソロモンは主に願ったので、知恵が与えられました。
同じように、私たちがこの世の価値観や判断から離れ、主のみを神とし、主を慕い求める時、私たちキリスト者の間に平和が保たれるのです。
今日も、主の御教えに耳も心も傾け、主と共に歩む一日となりますように!