御言葉を握りしめる【使徒の働き18:9-10】

2022年

ある夜、主は幻によってパウロに、「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。

わたしがあなたとともにいるのだ。だれもあなたを襲って、危害を加える者はない。この町には、わたしの民がたくさんいるから」と言われた。

使徒の働き18:9-10

 

御言葉を通して、主に語られたり、約束を貰った事はありますか?

一つの御言葉が私たちの人生において、大きな励ましや力強い支えになることがあります。

 

一つの御言葉を頼りに、試練や苦しみの中を歩み続けるという経験をする事があるのです。

使徒の働きを読んで、パウロも本当に御言葉一つを握りしめ歩んだ、代表的な人物だなと思います。

パウロは伝道旅行に力を注ぎました。

パウロの伝道旅行は、試練や苦しみばかりのものでした。

伝道旅行中で、ピリピやテサロニケでも、人々はパウロを捕まえ、訴えを起こし、パウロは捕えられたことが何度もありました。

 

上記の御言葉は、パウロの第2回目伝道旅行でコリントへ行った時に、主がパウロに語られた言葉です。「語り続けなさい。私はあなたと共に居り、あなたに危害を与える者は一人もいない。」と約束されたのです。

 

コリントにおけるパウロの伝道で、多くの人たちが信じてバプテスマを受けました。

しかし、その事により妬みを覚えユダヤ人たちはパウロを法廷に突き出すのです。ユダヤ人は、パウロを捕まえ、総督ガリオに訴えました。「この人は、律法(ローマの法律)にそむいて神を拝むことを、人々に説き勧めています」と。のことです。彼らは、パウロが伝えていた宗教はローマ法によって認められていない宗教だから、ローマ法によって禁ずべきだと訴えたのです。

今回の訴えは、今までのパウロが経験した訴えとは格が違います。今までは長官や町の役人に訴えられていましたが、今回はローマの総督です。(イエス様を訴えたピラトと同じローマの総督です。)ローマの総督が下す判決はその州に置いて該当するだけでなく、他の州での活動にも影響を及ぼすのです。

 

総督ガリオはどの様に判決を出したでしょうか?

パウロが弁明しようと口を開くと、ガリオはユダヤ人に向かって言いました。

「ユダヤ人の諸君。不正事件や悪質な犯罪のことであれば、私は当然、あなたがたの訴えを取り上げもしようが、あなたがたの、ことばや名称や律法に関する問題であるなら、自分たちで始末をつけるのがよかろう。私はそのようなことの裁判官にはなりたくない。」こうして、彼らを法廷から追い出した。」(18:14)

ユダヤ人が訴えていることは、ユダヤ教内部の宗教のことであり、信仰の内容に関するものである。ローマ法に違反したのであれば、その訴えを取り上げるが、今訴えている問題はそうではなく、自分たちの宗教に関することなんだから、自分たちの間で解決すべきだ、という判決です。

ガリオがユダヤ人の訴えに対して、このように扱ったのは、ガリオが別にキリスト教やパウロに対して好意を持っていたからではなく、そうしたことに関わりたくなかったのです。

主の約束通り、「だれもあなたを襲って、危害を加える者はない。」と言われた通り、パウロは、弁明する事もなく、事なきを得たのです。

 

主の守り、約束の成就、導き・・・ なんとなく、私たちは同じクリスチャンを送って主が働かれるように思ってしまいがちです。

しかし、ガリオのような未信者をも、主は用いられるという事です。私たちの主は必ず約束を守られる方であり、歴史を支配し動かしておられる方です。

御心に従って歩もうとする者を顧みて下さいます。

私たちが心に覚える事は、目の前のちっぽけな問題ではなく、この歴史を動かし、ご自分の御心の通りに導いておられる主です。

もしガリオが、パウロに対して不利な判決でも下したとしたら、その後のパウロの伝道旅行に大きな足かせとなり、キリスト教の歴史に大きな影響を与えた事でしょう。それほど大きな事件でした。

 

パウロはこの御言葉を握りしめ、1年半もコリントに留まり宣教を続けました。

私たちも、主から約束の御言葉を頂きましょう。

主の約束を握りしめ、クリスチャンとして、日々歩みましょう!

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